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2020年11月20日

コーヒー色のポストイット

僕が良く使う文具のひとつに「ポストイット」がある。いわゆる付箋(ふせん)だ。ポストイットは、たしか3M社の商標名だと思うが、僕はずいぶん昔から気に入っていて、本屋へ行けば、文具売り場でいつも買い置きを物色している(笑)。
だから、仕事デスクの引き出しを開けると、多彩な付箋や、サイズ違いのポストイットがでてくる。標準的なやつは、色が黄色で、縦横が3㎝×7㎝くらいのサイズだろうか。大型の正方形のやつもよく使う。簡単なメモやアイデア、気になった事柄をメモして、いったん、あちこちに貼っていく。気づくとカレンダーが付箋だらけになったり、大型の付箋の上に、小型のやつが貼ってあったりする。ときおりスマホにも貼ってしまうことがある(笑)。
付箋の「のり」は軽い接着力なので、すぐにはがれるのだが、最近は「強粘着」というやつがお気に入りだ。メモはその後、手帳やノートに貼りかえられるので、強粘着でないとだめなのだ。引き出しには、カラフルでもっと小さいやつや、果物のカタチをしたやつなどもあるのだが、使うことはほとんどない。もちろん「黄色」が一番落ち着くからだが、60代のシゴト人間を演じるには、赤いトマトや緑のリンゴは似合わない気がしている(笑)。

コーヒー好きの僕は、シゴトしながらマグカップで飲んでいる。カップの定位置は仕事デスクの左側だ。午前中だけでも何杯か飲むから、台所のコーヒーメーカーとデスクの間を往復することになる。
ある日、注いだコーヒーをマグカップに入れ、デスクに運ぶとき、僕の足が何かに引っかかって、大きく転倒しそうになった。しかし、おっとっと、と立ち止まった。もちろんカップは離さない。それがいけなかった。
まるで漁師が投網(とあみ)を投げるように、コーヒーはきれいな弧を描いて宙にはなたれ、デスクや床にぶちまけられた(笑)。その様をスロー再生出来たら、見事な光景だっただろう。デスクのキーボードや充電中のスマホには「コーヒーの雨」はかからなかったが、デスクはべちゃべちゃ、床の書類ボックスにはコーヒーが液体のまま溜まってしまうほどの惨劇だった。

雨のように落ちたコーヒーは、デスクを流れ、引き出しのポストイットの上に大量に注がれた。つまり、ポストイットはコーヒー漬けになってしまったのだ。一瞬ぼ~っとしていたが、雑巾や大量のティッシュペーパーを駆使して掃除が始まった。拭くたびにため息をついていた(笑)。コーヒーで濡れた書類や、ボックスは拭き終わっても「臭い」が取れない。もちろんお気に入りのポストイットは、まだらのコーヒー模様が入ったまま、コーヒー臭を放っていた。
おそらく深く反省したのだろう。僕は、コーヒー色にまだらに染まったポストイットを捨てることなく、今日も使いづづけている。「いましめ」ってやつかな。だから手帳やノートは、まだかすかにコーヒーの臭いがする(笑)。

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